大相撲初場所。
今場所は、良くも悪くもベテランの場所でした、と言えそうですね。

元横綱稀勢の里関、お疲れさまでした。
上位のモンゴル勢に立ち向う強い日本人力士として、長い間相撲界を盛り上げてくれました。
白鵬を何度も苦しめた唯一の日本人力士と言えるでしょう。
稀勢の里は入幕自体は早くて、当時から大関・横綱と期待されていました。
しかし、関脇から大関、大関から横綱になるのには相当な年月を費やしました。

ここぞという時のプレッシャーに弱いのか、何度も優勝を逃してきた過去があります。白鵬の全盛期と重なっていたという不運もありますが、相撲界のNo.2から脱却できぬまま30歳を迎え、ようやく遅咲きではありますが、久々の日本人横綱誕生の期待に応えてくれました。

相撲人生の終盤は、なんやかんや言われましたが、誰が何と言おうと稀勢の里の功績や存在感は褒め称えられるべきものです。横綱昇進の当時から、横綱にすべきではなかったという批判もありましたが、稀勢の里の大関時代の安定した成績は目を見張るものがあり、横綱にしても恥ずかしくないレベルです。平均して2桁の勝ち星で休場も無く、逃げない立ち合いに侍を感じたものです。左を刺した時の安心感など、本当に相撲が強くてカリスマ性のある素敵な力士でした。
稀勢の里がいたから相撲が楽しかった。
だから、本音はもっと稀勢の里の相撲が見たかったです。
もしかしたら、本人も・・・ですね。

さて、主役は変わって、関脇玉鷲。
初優勝おめでとうございます。
相撲ファンからすると、いぶし銀なイメージの玉鷲ですが、ようやく努力が実った感じですね。
正直な所、玉鷲は人気はいまいちです。
実際、今回も対戦相手の遠藤を応援する内容や、2場所連続優勝を目指す貴景勝をピックアップする記事のほうが多かったぐらいです。
しかし、そんなことには構わず集中し自分の相撲を取り切って、幕内最高優勝を手にしました。
奇跡的に、1/27はお子さんの出産日とも重なったみたいで、生涯忘れない日となりそうですね。

ベテランと言えば今場所の途中、豪風も引退しました。
典型的な、あんこ型で突き押し相撲のかわいらしいフォルムのお相撲さん。
豪風は、昨年高校野球で活躍したあの吉田君と同じ金足農業高校出身です。

とにもかくにも今場所はベテランの目立つ場所となりました。ベテラン代表の安美錦や嘉風の大敗も気がかりではありますが、来場所に期待します。

そして、最後にもう一人。
怪我に泣いて幕下転落。苦労して苦労してようやく十両まで這い上がってきた豊ノ島の活躍も楽しみです。今年中には、絶対に親友の琴奨菊と相撲を取って欲しいものです。

次の大阪場所は、おじさんもエディオンアリーナに相撲観戦しに行きます。
出羽出羽。